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ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島
PS4

PS4ゲームドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島レビュー
プレイ時間:エンディングまで50時間ほど

システム   7
シナリオ   5
グラフィック 6
サウンド   7

子供へのクリスマスプレゼントに最適のゲーム

ドラクエの世界観がベースのマインクラフトを模したゲームです。
スクエニがパクリをやった!という批判的な気持ちが僕にあるのですが、ゲームというものは成功した前例を参考に作られるという側面もあるかと思いますので、
あまり批判的な感情を持つのも過敏なのかなとも思います。
マインクラフトのパクリと言いましたが、マインクラフトにはない独自のゲーム性も盛り込まれており、スクウェアエニックスという大手デベロッパーが作っているだけあって楽しくプレイすることができました。
このゲームはサンタが子に与えるクリスマスプレゼントを想定して作られたものではないかと感じました。
大人が子どもに安心してプレイさせられるゲームとなっております。
日本産ゲームにして大デベロッパスクエニのゲームにしては色々雑な部分が目立つゲームでもありました。

システム

ジャンルとしてはサンドボックスゲームと呼ばれるものになるかと思います。
3Dのマップを自由に動き回って探索・攻略できるように設計されたアクションRPGです。
クラフティングと呼ばれる要素の強いゲームで、マップはブロックで構成されており、それらを壊したり配置し直したり、アイテムとして入手し新たなアイテムを作ったりといったものです。
マップは大きく5つの島に分かれており、一つの島のメインクエストを消化したら次の島に進むといったステージ構成です。
メインクエストは基本的に島の住民の依頼を聞き、拠点となる町を作り上げていくといったものです。
町には定期的に、もしくは強制イベントで敵の襲来があり、住民たちと協力して撃退を目指します。
ゲームを進めると敵にダメージを与えるトラップなどが作れるようになり、マインクラフトにはないタワーディフェンス的な要素のあるゲームかと思います。

アクション性については3Dマリオのようなといったもので古典化されたものかと思います。
ステータスは体力、スタミナ、空腹値があります。
空腹値が無くなると、何か行動する度空腹の動作をしてしまうため動きにくくなります(それ以外のペナルティは無かったかと思います)。

レベルの概念は経験値でレベルが上がる単純なもので、体力スタミナ上がり、武器防具レシピを思いつきます。
スキル、アビリティなどのシステムはありません。

難易度的には簡単な部類になるかと思います。
プレイしていて、お子さんをターゲットにしたゲームであると強く感じました。
ですが決してつまらないものではなく、プレイしていて楽しいと感じるゲームでした。
なにか原初的なものを感じます。
ポケモンが虫取りを模したゲームであるように、マインクラフトは積み木遊びを模したものといっていいのかもしれません。

またクリアまでのプレイ時間も50時間ほどかかり、ボリュームたっぷりでした。
ボリュームのあるゲームはストーリーのドラマ部分によって嵩増しされていると感じることが多いのですが、このゲームはほぼプレイしている時間=プレイ時間という印象でした。
これはテキストのボイス表現が無くさくさく読み進められるのも大きいかったのかなと思います。

残念ことにひどいバグが存在します。2択の選択肢で誤った方を選ぶと進行できなくなり最初からスタートしなければならない、といったものが存在するとのことです。
僕は運よくこちらのバグには引っかからなかったのですが、他のイベントの時にフラグ管理がおかしくなってしまったようで、非常に面倒な操作をしなければ先に進めないといったことがありました。
他にもまだ進行できないエリアにいるNPCに話しかけると、「まだ進められないので話しかけられない」というようなメタ的メッセージの説明が入るなど、所々に雑な面がみられるという印象の残るゲームでした。
ゲームをプレイしていて感じていたことなのですが、日本産ゲームと海外産ゲームでは前者の方がバグが少ないように感じます。
販売時の作品の合格基準値が高いのだと思っています。
日本産のゲームでしかもスクエニという大きなデベロッパーが作るものにしては…と感じてしまいました。
最近のゲームはネット配信でのアップデートによる手直しが可能のため、こういった流れもありになってきているのかもしれません。

ラスボス戦が単調すぎると感じました。低年齢をターゲットにしたゲームということで難易度を下げた結果なのかもしれませんが、やはり作りこみが足りなかったのかなという印象です。

メインクエストの序盤から終盤にかけて新しい要素の体験が続き、クリア後のエンドコンテンツへ向けたチュートリアルという印象も受けました。
このゲームはマインクラフト+タワーディフェンスというのが魅力だと思うのですが、ストーリー上でタワーディフェンス成分が物足りなかったので、今後の気合いの入ったDLCの配信を期待しています。

ドラクエの伝統なのかもしれませんが、意味のない選択肢でてくることの意味がわからなかったです。
はいといいえの選択肢でいいえを選んでもはいを選んだのと同じになることに意味はあるのでしょうか。
ほぼすべて(全部?)の選択に分岐はなかったかと思います。
ゲームをやりなれているのでその後の展開を見こせるがゆえの感覚なのかもしれません。
ゲームに没入させるひとつの要素ということかもしれませんが、僕には不要に感じます。

それにしても、このゲームはプレイしていて楽しかったです。飽きずにクリアできたといってもいいのかもしれません。
僕はこのゲームのストーリーは楽しめませんでした。ストーリーが自分に合わない作品をプレイした時、大抵そのゲーム体験は苦痛を伴うものであることが多かったのですが、このゲームは終始楽しい体験でした。

シナリオ

ビルダーと呼ばれる職業の人間が主人公です。
ドラクエ2のラスボスであるハーゴンとシドーを倒した後の世界が舞台なのですが、本家ドラクエ2との世界のつながりは序盤では明確に説明されず、ハーゴン教団の船に捕らわれている場面から物語は始まります。
その後船は荒らしにより難破し、たどり着いたからっぽ島で出会うシドーと名乗る記憶をなくした少年と共に、からっぽ島を開拓すべく別の島をめぐり住人を集ようというストーリーになります。
創造のビルダーと、破壊のシドー、対比する2つの関係が友情で結ばれてどっちも大事だよねみたいな話でした。
親が子供に安心して買い与えてあげられるような、悪く言えば全体的に当たり障りのない無難なストーリーであると感じました。
大人の僕にとっては物足りない、つまらないと感じるストーリー展開でした。

グラフィック

マップがブロックで構成されているゲームであるためか、グラフィックがきれいという印象は薄いです。
キャラクターデザインはドラクエシリーズの伝統に従い鳥山明さんが担当されており、安心感のあるものになっています。
OPムービーもよいものでした。さすがスクエニ、と感じさせるものがありました。

サウンド

ドラクエ過去作の音楽が随所に使用されており、耳なじみのある名BGMを聞けるのはうれしい体験でした。
掛け声、驚きなどにはボイスがついていますが、基本的にテキストにボイスはありません。
僕はゲームにおいてボイスの有無を重要視していないので、特に不満はありませんでした。
むしろボイスがないことでストーリーテキストがさくさく進められ、ストレスを感じなく進めることができたように思います。