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LEFT ALIVE レフトアライブ
PS4

評価:3/10
低予算ゲームで作られた印象のゲーム
プレイ時間:クリアまで20時間ほど

主に3Dマップでのガンシューティングのゲームです。
プレイして一番近い類のゲームはメタルギアソリッドでした。
新鮮な感覚をもたらせてくれなかったゲームでした。
プレイしていてストレスに感じさせる部分の目立つゲーム体験でした。

ゲームの作り的にガシガシ戦っていくという感じではなく、極力戦闘を回避しつつマップ内で拾えるアイテムを駆使してクエストクリアを目指す感じでしょうか。
ですがこの類のゲームでは基本ともいえるステルスキルというシステムがないのがストレスに感じました。
狙って搭載しなかったそうなのですが、ストレスを感じる要因のひとつになっているという感想です。
「面倒なことをわざわざやらせることで楽しませる」ことってゲームの重要な要素のひとつだと思うんですが、これのバランスってゲーム制作で本当難しい箇所だと思います。
このゲームはそのバランスがうまくなかったと感じました。

このゲームはプレイキャラが三人いてチャプター毎に切り替わるのです。
そしてマップ上にはアイテム保管ボックスが置いてあるのですが、これはこのマップのこの場所でしか機能しないアイテムボックスとなっています。
このキャラでは持ちきれないアイテムがあり、アイテムボックスに保管することで他キャラに使わせたいという場面があったりするのですが、同じマップを別キャラで後でプレイすることになるのかわからない初見プレイでは、ただの糞バランスであると感じてしまいました。
クリアして感じたのですが、このゲームは周回プレイを想定して作られたものなのかと思います。
クリア後の要素としてニューゲーム+が始められるのですが、これはプレイ中に得たポイントを消費してキャラ強化して新しく始めれらるということですが、何故初回プレイの時点でこのシステムを組み込まなかったのか(迫真)。
出し惜しみ、という感じがぬぐえません。最近のゲームではそんなシステムは周回プレイ特典とかでなく最初から組み込まれているのが普通くらいですよって後ろから耳に息吹きかけながら囁いてあげたい。
このゲームを古臭く感じる部分のひとつです。

それとヴァンツァーの操作性はひどいです。ps1とかの時代を感じさせました。
とてもコンシューマの最新作で出すクオリティとは思えませんでした。

ただ作り手のこだわりは感じました。
ただそのこだわりに技術が追いついていなかったのかなと。
例えばわかりやすいグラフィックの部分でのアラですが、車のオブジェクトがあってそれにカラーリングがされているわけですが、車体の色質感と窓ガラスの部分が同じなのです。
あと自分でヴァンツァー操作する場合の視界に入る自機の大きさが操作しない場合で見る視点の大きさが違うということもありました。
こういった部分を見るに、開発費がそれほどかけられなかったゲームではないのかと感じました。
僕はゲームの開発側の人間ではないので、ゲームにおける開発費がどのようなものか把握できていないのですが、やはりクオリティの高いゲームを作るにはそれなりにお金をかけないのダメではないかなと感じています。
低コストでの名作で考えつくのはマインクラフトだったりしますが、そんな奇跡レベルの作品は狙って作れるものではありません。
そして低コストゲームの成功の場はpcインディーゲーム界隈ではないかと感じてまして、コンシューマゲームにその場所はない気がします。

このゲームは「この程度の予算である程度の売り上げを出す」ことを目指して作られたゲームだと感じました。
ぼくはゲームプレイに対して、例えば最近で言うとバイオ2REくらいのクオリティを求めてしまっています。
あれくらいのゲーム体験ができたら僕は本当に嬉しい。ゲームプレイの喜びを強く感じます。

このゲームのディレクターは鍋島俊文さんといって、アーマドコアに携わった方とのことです。
この方のインタビュー記事から感じるに、決してゲームに対する熱意のない方ではなかった。
そういった方の携わったゲームが、このような残念な出来になってしまうというのは、開発費と作り手の熱意がうまく折り合わなかった、ということがひとつの 原因としてあるように感じます。

おそらくゲーム開発にお金を出す人(の一部)はゲームの文化的クオリティに興味はなく、「この程度の予算でこの程度の売り上げを出す」というひとつの商品として捉えているのでしょう。
これはゲームに限らず他の分野でもそうだと思いますけど。
こういった部分に経済に属する人とモノづくりに属する人の摩擦を感じます。

このゲームはコンシューマ最新作として出すべきではなかった、例えばSTEAMで30ドルくらいの価格帯での売り方を狙うべきだったのではないでしょうか。わかんないですけど。
「この程度の予算でこの程度の売り上げを出す」というビジネスとしての働きはこなせなかったかもしれませんが(売り上げとか現時点でわかんないんで適当に言ってますがおそらくこのゲームは売れないでしょう)、このゲームは「いいゲーム」を目指して作られたように感じます。

このゲームはスクエアエニックスですが、少し前からこの会社に感じているのですが、ゲーム開発の目標がクオリティではなく売り上げの方向に向いている気がしています。
「いいゲーム」ではく「高く売れる商品」を目指している気がするのです。
「いいゲーム」が高く売れるとは限りませんが、高く売ろうとして失敗しているというパターンもあることとか、それによる損失の可能性とか、あると思うんです。