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デビルメイクライ5
PS4

評価
システム   7
シナリオ   8
グラフィック 8
サウンド   8

クリアタイム:15時間ほど
純粋なアクション性だと感じたゲーム。

操作キャラが3人いて操作性が全く違い、その操作ボリュームが凄い。
ひと昔前のゲームであればそれぞれのキャラが一人一つで作品が成立したでしょう。
これだけのボリュームのあるキャラを一つのゲームで遊べてしまうという、最新ゲームを図る一つの基準を指し示してくれた気がします。

戦闘部分に関して
この部分が僕は純粋に近いと感じるアクション性のゲームなんですが、
状況に対する答えが明確には用意されていない。と感じます。
もちろんそれはあえてのことかと思います。

この作品よりRPG的な要素の強い作品であれば、
この敵のこの攻撃には遠距離から攻撃だ、というように判断できる時間的猶予がありそれの成功失敗の返りも強めに感じるのですが、このゲームでは限りなく薄く作られているように感じます。
そうすることで戦闘にスピード感をもたらせているのかと思います。

判断ではなく反応のゲームだと感じたことが、純粋なアクションゲームだと感じる所以ではないかと思います。

好みの話で言うとですが、僕は反応(速度)により雌雄の決するゲーム性があまり好きではありません。
それは例えば格ゲーだったりするのですが、それは『下手くそでも戦略(と運)次第で勝てたりできないから』なのですね。
結局才能というか、この辺は本当にスポーツ選手と同じだと思うんですが、それで決着がついてしまうようなゲーム性のものに参加するモチベーションがわかないのです。
これはFPS(一、三人称系ガンシューティング)に対しても同じ感覚です。
結局反応速度がすごい奴が勝つやんけ、と。
反応鈍い俺は負けるしかないやんけ、と。
APEXにハマったのは、戦術的に考えれば勝てる余地のあるゲーム性だったからだと思います。
ということで格ゲーなんかやらないと思っていたのですが、多分このゲームのアクション性は格ゲー方面からのノウハウを色濃く反映して作られたんではと、ここで気が付きました。
だってカプコンだし。
これって格ゲーの感覚なのか、と新鮮な気分になりましたが、やはりあまり好みのものではありません。
反応が重視され判断が軽く作られているゲーム性は、奥深さを感じないのです。
僕はゲームに計算、数式的なものを求めているのかもしれません。
計算させてくれよ!そしていい答えを用意していてくれ!っていう物凄い我儘な欲望を僕はゲームにぶつけています。
でもってたまにゲームはそれに答えてくれたりするから好きです。。

システムを解説すると、
まずダンテというキャラ。
まず近距離武器4種(剣、体術、バイク、ヌンチャク)に遠距離武器4種(2丁連射、ショットガン、ランチャー、帽子)。
でもってキャラのモードが4種(近距離型、遠距離型、移動型、防御型)。
さらに近距離武器の体術がパンチ型とキック型に分岐し、ヌンチャクは炎、氷、雷の型に分岐する。
そしてゲージの概念があり(攻撃防御などで溜まる)、それを消費しての攻撃形態が2種類(魔人化、真魔人化)。
凄いボリュームです。僕は下から4つ目の難易度までクリアする程度にはこのゲームをプレイしましたが、結局最後まで操作を把握しきることはできませんでした。

次にネロ。
基本的には剣と銃。
片手が義手となっており、それも武器として扱う。
義手は8種ありそれぞれ特性、攻撃方法が違い、タメ攻撃で壊れてしまうなど使い捨ての武器といった感じ。
剣にはバイクのアクセルを模したような仕組みがあり、L2をまさにバイクを吹かす感じで押す(この感覚は非常に繊細でよく表現されています)とアクセルゲージが溜まり消費で強攻撃。
最初はゲームシステムとしては押しっぱなしで溜まるでいいのではないかと感じましたが、バイクっぽさを演出したかったというのであれば素晴らしい出来です。
ただシステムとしては不要。こういうような感じが強く出ているゲームだと思います。
それとダンテ同様ゲージ概念があり、溜まると魔人化。

最後にV(ブイ)。
3匹の手下を使役しつつ戦うキャラ。
手下は、グリフォン、シャドウ、ナイトメアの3種。
手下では敵にとどめを刺せないので一体一体Vでとどめをさし続けなければならない。
グリフォンは飛行遠距離攻撃型。対応ボタンは□ボタン。とりあえず□連打してたら攻撃してくれる。
シャドウは近距離攻撃型。対応ボタンは△でとりあえず△連打してたら攻撃してくれる。
ナイトメアはゲージ消費で呼び出せるいわば必殺的な存在。望めば操作できるが基本はAI操作。
他の2手下もゲージ消費でAIに任せることもできる。
敵の攻撃をかわしながら□△を連打しまくっているキャラという操作印象。
手下別にコンボは用意されているが、上手く使えこなせた気がしない。

ということで3キャラ全てに言えるのですが、『使いこなせなかった』
これはボリュームを称えるのとバランス不足の二つの意味で言わせていただきます。

そしてシナリオ部分ですが、これはもう演出がとにかく素晴らしかった。
僕はゲームにおいて、シナリオを重視することにこだわることは不要だという立場です。
主人公が魔王にさらわれた姫を助けに行く、くらいのものでいいと思っています。
プレイキャラが冒険する動機が説明されれば何でもいいのです。
シナリオで重要なのは演出!です。
こだわった設定をくどく説明されるより、助け出した姫の安堵の表情とかが数秒のムービーで上手に表現されているほうがいい。
疾走感というのかテンポの良さというのか、ゲームのシナリオはそうであってほしい、と感じているのですが、このゲームはまさに僕の理想ともいえるシナリオ展開でした。
シナリオ全体の設定に特質すべき点はありませんが、一回一回のムービーシーンが小気味よく流れてくる。ユーモアも効いている。淀みなくゲームプレイに没入させてくれる、素晴らしい演出のゲームでした。プロの仕事を感じさせました。
スタッフロールではシナリオ担当は森橋ビンゴさんとなっているのですが、演出担当もこの方なのでしょうか。これを担当した方の参加した作品はいい出来のもので章をこの方にあげたいです。

好みでいうと好みではないゲームに属する今作でしたが、やはりいいゲームであったと思います。
ここ最近カプコンの評判は上々ではないでしょうか。ゲームを配信していて感じています。カプコンはいいゲーム作ってくれてます。
それに比べてスクエニは最近駄目です。いいゲーム作ってください。商品でなく作品作ってください。

音楽はメタル的…でいいんでしょうか。悪魔がテーマのゲームに合っています。これも小気味よく場面に合わせたBGMが採用されていて爽快です。