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Sekiro: Shadows Die Twice
PS4

評価
システム   7
シナリオ   7
サウンド   7
グラフィック 7

クリア時間:エンディングまで35時間ほど
ソウルからRPGを脱ぎ去り反応から反射のゲームへ

TPS視点の忍者アクションです。
ソウルシリーズの系譜のものですので、同じような印象のゲームですが、ソウルシリーズからRPG的な部分を省略した印象です。
ステルスキル的な部分はメタルギアの印象を受けました。ほかに似たゲームで言えば天誅とか仁王とかでしょうか。

物凄く難易度の高いゲームでした(このゲームに難易度設定はありません)。
今までプレイした中で一番難しかったかもしれません。

このゲームに雑魚敵と呼べるものはほぼいません。道中出会う雑魚がボスのように強い。
このゲームでは雑魚を倒して経験値を貯めてキャラクターを強化できるといったシステムが搭載されていません。
雑魚敵でスキルポイントは溜まりますが、これでアンロックできるのは操作技の選択肢と多少のバフ効果のみです。
具体的に体力上限、攻撃力を上げるためには中ボスもしくは大ボスのドロップするアイテムが無ければなりません。
要は「強い敵に勝つためにレベルアップ」ができない仕様のゲームとなっております。
武器については刀(イベントで変わったりはしますが威力に変化はありません)と忍具(全9種から3種装備できる)となっていて、強い装備に変更だとか武器強化もありません(忍具強化はありますが、それほど幅のあるものではありません)

このあたりがソウルシリーズのRPG的な戦闘システムとは違うところではないかと思います。

実際の戦闘に関してですが、僕が感じていたソウルシリーズの戦闘は「後だしじゃんけん」です。敵がパーを出した、出すと感じた時はチョキ、グーの時はパーを出す…。ここでミスると被ダメとなります。そしてこの時の自分の手の形が選んだ武器だったりします。
sekiroではこのじゃんけんを高速で行わせようとします。その為に、選択の幅を狭めるために、ソウルシリーズ的自キャラビルド要素を薄くしたのだと思います。
高速のじゃんけんは、「この時はこう」、することの繰り返し、そしてそれが正確であるかということを求めます。
この感じは音ゲー、リズムゲーと同じ感覚であるかと思います。
事実、音ゲー好きな方がこのゲームを楽しんでおられました。
アクション戦闘のゲームシステムが極まってくるとリズムゲーになるのか…と新鮮な心持になれました。
これがソウルシリーズから積み重ねられてきたシステムが発展した一つの先端の形なのでしょう。
リズムゲー目指してないのにその感覚にたどり着いたというのは、ひとつの正解の道だったりするのかなと、思いました。。

sekiroはソウルシリーズとどうしても比べられてしまうでしょう。
確かのソウルシリーズの系譜の枝の一本ではありますが、オリジナリティを持つ作品であり、一つの最先端の位置にあるゲームであると思います。
ただ楽しめた作品かと問われると、楽しめない作品であると感じます。
難しすぎる。これについてこれるユーザーはそれこそ亡者、獣だったりするのではないでしょうか(フロムゲーにおける亡者とか獣といった類は廃人プレイヤーを指しているのでは、と僕は感じている)。
僕は10時間以上同じ敵に挑戦を続けたのですが、8~10時間くらいに「あれこの第一形態ではほぼ死ななくなった」と明確に感じた瞬間がありました。本当に奥深い、やりこまなければ到達できない領域のあるゲームだと思います。

ゲームシステムを追求して作られた作品です。
作品としては素晴らしい、美しいとすら思います。
僕は制作物に対してなんとなく「作品」か「商品」かの区分けをしているところがあるのですが、このsekiroは「作品」よりのゲームでしょう。
ただ楽しいものかと問われれば難しい。ソウルシリーズの系譜が無ければ売れていない、クソゲーとすら評価されてしまう可能性のあるゲームだと感じました。
ゲームシステムの追及の一体どこに正解はあるのか、クリエイターの苦悩は続くのでしょう。

このsekiroには搭載されなかった、ソウルシリーズのRPG的部分、僕は好きでした。
ソウルシリーズの武器バランスは、僕は素晴らしいと思います。
プレイヤー間の情報の蓄積によって強武器がある程度定まってしまうものの、好きな武器でそこそこ戦えるいいバランスでできていると思うんです。
どうかこっちを極める方向でもう一本作ってはくれまいか。
僕はソウルシリーズから枝分かれするこのもう一本に期待してます。


ソウルシリーズからのシステム、情報の流用はあるけれど、戦闘システムに関しては一新されたとも呼べるほどの変化があったと思います。
それを軸に作られたゲームのせいか、全体として若い、成熟されていないという印象のゲームです。
このゲームは敵との刀の撃ち合い、リズムゲー的な戦闘システムが一本の筋としてあり、それに沿ってRPG的な部分、ステルスアクション的な部分などその他のシステムがくっついているイメージです。
リズムゲー的な部分はよく作られたと感じますが、その他の部分は優れた出来とは思いませんでした。
色々噛み合っていない。
忍具、流派技と選択はあるのですが、あまり使いこなせた気がしない。楽しめた気がしない。
忍具についてもいまいち効果のわかっていないものとか未だにあります。
これについては僕のプレイスタイルの問題なのかもしれませんが、
「今使っているもので進めなかったら手元にある使っていなかったものを使う」という進め方なのですが、「今使っているもの」でずっと進められた気がします。これでできてしまうと違うシステムに手を触れないままクリアまで行ってしまうとかあったりしますので、ゲームとしての出来を考えると、うまくないのかな、なんて思ったりします。

オンライン要素がないのは残念でした。
非常に硬派な、「ユーザーの求める方に行ってやらんぜ」という思惑を感じさせる作品でした。

グラフィックについては、ダークソウル3の頃から変化はないように感じました。洋ゲー大作に見劣りする感じです。