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Earth Defense Force: Iron Rain
PS4

評価
システム   6
シナリオ   5
サウンド   7
グラフィック 5


クリア時間:エンディングまで12時間ほど
つまらないとは言わないが色々低クオリティなゲーム

ということで地球防衛軍のスピンオフ作品の今作であります。
Earth Defense Forceという名前のゲームは2011年にも出ていまして、それの続編ということです。
わかりにくいのが地球防援軍というゲームとEarth Defense Forceというゲームは別のものだということ。
開発している会社が違うのですね(発売は共にディースリー・パブリッシャーですが)。
地球防衛軍のほうは元祖地球防衛軍を作った「サンドロット」。
Earth Defense Forceの方は前作は「Vicious Cycle Software」で、今作は「ユークス」という会社で開発されたゲームということです。
ストーリーや設定に繋がりはなく、地球防衛軍のゲーム構想を使って作ったゲームなのですね。
それで前作EARTH DEFENSE FORCE: INSECT ARMAGEDDONについてですが、このゲームはシリーズ初のオンラインCO-OP対応のゲームだったとのこと。
これはおそらくですが、当時地球防衛軍を開発したサンドロットにはオンラインCO-OPについての技術が無かった。
ので、海外の開発チームにオンライン要素を含んだ地球防衛軍を実験的に作ってみた、のがEARTH DEFENSE FORCEなのではないでしょうか。
わかんないですけど。

それで僕が言いたいのは、地球防衛軍とEARTH DEFENSE FORCEは別のゲームであるということ。
そして、地球防衛軍と比べてこのEARTH DEFENSE FORCEは低いクオリティのゲームである、と言いたいのであります。

僕は地球防衛軍シリーズは5のみプレイしていて、この5は素晴らしい出来のゲームでした。
地球防衛軍は元々SIMPLEシリーズというカテゴリーのゲームでして、1,500~3千円くらいの低価格帯のゲームというのが売りで2003年に販売されたゲームです。
SIMPLEシリーズの癖にクオリティが高いというので当時評価が高かった気がします。
それで地球防衛軍5はプレイして相当良いゲームでしたので今作に期待していたのですが、残念ながら期待は外れてしまいました。
つまらないゲームとは言いませんが、やはり地球防衛軍と比べて、見劣りするゲームであったというのが感想でした。

そして地球防衛軍と比べなかった場合の評価についてですが。
どういったゲームかと申しますと。
超よくある3Dアクションガンシューティングゲーム(TPS)です。3Dマップで出てくるでかい敵(でかいアリとかクモとかロボットとか)を銃で撃ってたくさん倒すゲームです。
ステージ制のゲームで、1マップクリアすると装備選択などできる待機画面に移りまた次のマップに進む、の繰り返しです。
ステージクリアの条件は敵の全撃破のみです。全52ステージ。難易度は5段階。

システムについて。
レベルの概念はない。経験値もない。
兵科、武器、装備アイテムの概念がある。
自キャラを強化する対価としてお金とジェム(赤青黄3種)の存在がある。
ステージクリアでお金、敵ドロップとしてジェムが手に入る。
お金を支払い体力の上限を上げることができる。
装備アイテムにはコストとキャパシティの概念があり、兵種によってキャパシティが決まる
(キャパシティの高い兵種はコストの高いアイテムを装備、またはコストの低いアイテムをたくさん持てる。キャパシティの低い兵種はあまりアイテム欄を活用できない)。
兵科は5種類あり、平均型(アイテムキャパシティ高め)、高機動型、高攻撃高防御型、でかいアリとか召喚して乗れる型、でかいアリとか召喚して乗れる型(アイテムキャパシティ高め、低防御)がある。
各兵科はそれぞれ違う特殊動作がひとつずつ用意されている。
武器は12種類あり、その中から二つ装備できる。
武器の入手方法は、ステージクリア、敵撃破数、マップに配置されたドローンを回収する、がある。
入手しただけでは使えず、お金とジェムを支払うことでアンロックされる。
と、この辺のシステム面に関しては、奥行きがない、という印象でした。。

用意されたマップで出現する敵を片っ端から銃で倒していくというゲーム性は今やありふれたものであり新鮮なものはありませんでした。
武器もそこそこの種類が容易されているのですが、自分の好きな武器を使うというよりそのステージで有効な武器を使って攻略することが最適解になるため「自分だけの戦い方」の幅が狭く、物足りなく感じました。
マップやオブジェクトのグラフィックはPS3時代ぐらいの感じでこれも評価できません。

ゲームを続けるモチベーションとして、より強い未入手武器を手に入れたいという、ハクスラゲーをプレイしている時と同じような感覚を呼び起こされるものがありました。
ですがハクスラゲーと呼ぶには浅いです。武器強化的なシステムがない(キャラビルドの幅が狭い)ため奥行きを感じられないのです。
強武器アイテムの入手条件が敵撃破数というのもあるのですが、条件達成を目指すプレイがただの作業でしかない部分も低評価です。
現時点のゲーム文化を理解してハイクオリティのゲーム開発を目指すのであれば搭載すべきシステム、といったものが搭載されていないのです。
こういった部分から感じるにこのゲームは「この程度の予算でこの程度のゲームを作ってこの程度の利益を出そう」といった類のゲームかと思います。
この感覚はレフトアライブをプレイした時にも感じました。「よりよい優れた面白くて楽しいゲームを作ろう」といった方向で作られたゲームではない、と思いました。
地球防衛軍の高評価に便乗して出したら売れるんじゃね、ということで作られたんでは、とか邪推しちゃってます。

とはいうもののつまらないかと言えばそうでもなくて、地球防衛軍の魅力のひとつである他プレイヤーと協力してステージクリアを目指す面白さ、についてはこの作品にも継承されているかと思います。
このゲームで楽しかった部分は、協力プレイと強い武器を手に入れる喜び、でした

シナリオですが、謎の地球外勢力から地球を守るための軍隊的なもの(おそらく地球防衛軍)の隊員として頑張る、という感じです、
興味のないシナリオを見せつけてくるストレスは全くありませんが、逆に引っかかるものもない。
なんかもう毒にも薬にもならないという印象です。

バグについてですが、エイム時横に瞬間的にブレて弾が当たらない、というものがありました。
外して倒せなかったせいで死ぬということが多々あり、このバグは本当にストレスでした。
高威力の一発を外してしまうというのはステージクリアを目指す上で大きな弊害であり、プレイを楽しむには致命的な欠陥です。
バグに関しては寛大な僕もこのバグについては許さないぞ。

シリーズ前作の地球防衛軍5の評価を参考にして今作を買って落胆したユーザーは多いと思います。
が、地球防衛軍とEarth Defense Forceは別開発のゲームであり、今作がつまらなかったといって本家地球防衛軍の開発クオリティとは無関係。
無関係なのですが、このゲームの評価が次の地球防衛軍の評価(というか初週売り上げ)にどう影響してくるのか。
そう考えると今作品はなかなかに罪深いものであるような気がしないでもなくもないかもしれません。