GKBRGKM.com


じんるいのみなさまへ
PS4

評価
システム   1
シナリオ   7
サウンド   6
グラフィック 4

クリア時間:14時間ほど
つまんないゲーム

文明崩壊後の秋葉原で繰り広げられる女の子同士のほんわか日常系ストーリー。
ジャンルは公式ではガールズアドベンチャーと書かれています。
ときメモとかエロゲとかによくあるビジュアルノベル、つまりキャラ同士の会話パートと、
3Dマップ上でキャラを操作し目的の場所に移動するといった操作パートで構成されています。

プレイヤー自信を投影するキャラの存在はなく、登場する5人(DLCキャラを含めると6人)のキャラの会話でストーリーは進行していきます。
この5人以外の登場キャラはわずかで、そのわずかに存在するモブにはグラフィックは用意されていません。
文明崩壊後の世界ということもあり、世界に存在するのはここにいる女の子たちだけ、という印象の世界観でした。

クラフティングの要素があり、マップ上にあるアイテム回収フラグを調べることで手に入るアイテムを組み合わせて料理、罠、イベント進行用アイテムが作れます。
クラフト用アイテムのほかに鍵のかかったロッカーを開けるための100円玉や新しいレシピも手に入ります。
これらの要素のボリュームは多くはありませんでした。

プレイ時間の9割が会話パートのキャラボイスを聞いている時間であり、操作しているパートはほんの僅かでした。
キャラを操作してマップ上のイベントフラグに向かい会話パートが発生する、場合のよってはイベント用のアイテムが手に入りストーリーが進行していく、の繰り返しです。

HPなどの概念はなくはなく、全体の時間制限もありません(一日の時間制限はあるものの翌日に進むことで1日の時間制限はリセットされます)。
そのため生存のためにクラフティングする必要がなく、メインイベントフラグのみ回収していけばクリアまで進めます。
つまりクラフティング要素はクリアまでやらなくてよい、という作りになっています。
なので僕はクリアまでメイン以外のフラグ踏んだり、イベント進行に不要なアイテムを作るといったことは一切しませんでした。

メインイベントも「○○を作るためにあそこに行って××を回収せよ」みたいなのの繰り返しなのでなんだかチュートリアルをクリアまで続けさせられている感覚でした。
「このチュートリアルはいつまで続くんだ」と思っていたらクリアまで進んでいたという感じです。
これは僕がクラフティングできるサバイバルゲーム要素を期待していたために感じたものかと思います。
その部分は限りなく薄っぺらく、ゲーム全体としてはほぼ会話パートです。
ゲームをしているというよりはキャラボイスを聞き流している時間がただ過ぎていく、というプレイ内容でした。
ゲームをしている感覚がないのです。
このキャラ同士の会話を楽しめる方ならまだよいのでしょうが、僕はそうではないので、つまらないゲーム体験であった、という感想です。
似た感想のゲームとして以前プレイした巨影都市がありました。
ウルトラマンやエヴァなど有名キャラが出てくるわけですが、プレイ内容は単純な迷路的マップを障害物を避けながら目的地店まで到達せよといった単純なもので、僕が求めるゲーム性がひどく薄いと感じさせるものでした。
「巨影都市」は巨大ヒーローを眺めること、「じんるいのみなさまへ」はキャラ同士の会話に重点を置いたゲームなのでしょう。
僕の求めるゲーム性はそこにはありませんでした。

キャラクターデザインは可愛いもの仕上がっているかと思います。
ボイスを担当されている声優も新人が起用されているようですが、不満に感じる点はありませんでした。
OPが歌詞付きの曲が流れるアニメのOPのような作りなっています。それほど手間をかけた作りではないように感じましたが、プレイを見ているリスナーの方には好評でした。

このゲームの特色として「百合属性」があります。
女の子同士の淡い恋愛模様、とでもいうのでしょうか。レズビアンとまではいかず、あくまで女性同士の軽い恋愛模様を眺めることを楽しむ性的趣向になるかと思います。
そういった趣向のユーザーをターゲットにした作品なのかと思います。
ゲームにおいてそういった属性に向けられた作品はさほど見当たらないように感じますので、少ない需要はあるのかな、と感じました。

バグ、ではないのかもしれませんが、メインフラグ発生前に同地点のアイテム回収フラグを踏むと発生するはずだったメインフラグが発生しなくなる、というものがありました。
これは翌日に進めば復活するものと後から知りましたが、知らない状態でずっとプレイしてましたので、メインフラグが消滅するのが怖くて現時点で目的のメインフラグ以外全てスルーしてクリアまで行ってしまいました。
クリアに不要な要素であるのと相まって、目的の場所へ行く→会話パート発生→目的の場所へ行く、の繰り返しの単純作業であった、という印象が強く残るものになったかと思います。

課金DLCにより追加キャラの存在があります。
500円です。購入することでクリア後の2週目から新キャラが登場しストーリーに変化が起こります。
毒を食わらば皿までの精神で購入してみました。
中盤までは1週目にあった会話に新キャラが加わっているだけというものでしたが、終盤ストーリー展開が変わりました。
最終章では1週目とは違う章タイトルになり、エンディングも変わります。
課金で真エンディングというような作りに対して、あこぎではなかろうか、と少し批判的な気持ちがわきました。

僕は興味のないシナリオを延々見続けなければクリアまで進めないという作りのゲームがあまり好きではありません。
このゲームはそういった部分がメインのゲームでした。
その他のシステム部分も非常に薄っぺらい作りと感じるものであり、楽しいと思える部分を見つけることができませんでした。
7000円という価格で2019年の最新作のゲームとしては残念な出来のものであった、と強く感じるゲーム体験でした。