評価
システム 6
シナリオ 5
サウンド 7
グラフィック 6
クリア時間:エンディングまで14時間ほど
不思議のダンジョンの東方版
東方プロジェクトを舞台とした不思議のダンジョン系ローグライクのゲームです。
トルネコの大冒険、風来のシレンから強く影響を受けたものであり、ゲームシステムとしてはほぼ同じものです。
開発が間に合っていないという公式の発言があるようで、色々と足りない部分が目立つゲームでした。
このゲームの特徴として、仲間を大量に引き連れることができる、というものがありました。
仲間の助けにより冒険が楽にはなるのですが、狭い通路を多数のキャラが通ろうとするときにどん詰まりとなり、結果単独行動するキャラが敵とかってに戦いはじめすぐ死んでしまうなどがありました。
このゲームには合わないシステムではないかと感じました。
東方プロジェクトのファンであれば多数のキャラを仲間にできる喜びというものも感じられたかもしれませんが、より良いゲーム性を目指してというより、他の不思議のダンジョン系との違いを出すために搭載されたシステムという印象が強いモノでした。
装備アイテムが、武器防具御守りの3種あり、各10スロット装備できます。
装備品には固有の能力が宿った「印」というものがついており、これを抜き取り別の装備につけることにより強化させていくことができます。
不思議のダンジョン系では「合成」と呼ばれるシステムで、装備を育てることはこのジャンルの一つの楽しみだと思うのですが、現在プレイできるダンジョンの難易度はそれほど高いものではないため、装備品強化の必然性があまり感じられませんでした。
シナリオ部分に関して。
順調に行けば10時間かからずエンディングまで行ける程度かと思います。
ボリュームとしては少ないと感じるものでした。
難易度もそれほど高くなく、装備品を鍛えることに注力せずともクリアまで行けました。
会話パートはテンポよく進み、盛り上がるところは3Dアニメーションが挿入されるなど、飽きを感じさせない演出がなされているかと思います。
3Dアニメーションが良かったのでエンディングも期待したのですが、エンディングにはアニメ演出がなく、この辺りも開発が足りていなかったのかなという印象です。
開発が間に合っていないという発言がある通り、足りていない部分が目立つ印象です。
ダンジョンを潜るたびに手に入るダンジョンポイントという概念があるのですが、使い道がまだ搭載されていないようです。
今後アップデートでの追加要素を用意しているとのことですが、フルプライスでこの出来ということにユーザーに対する甘えを感じさせる印象となりました。
装備品の強化という楽しみも、装備品持ち込みダンジョンの少なさからただ単にやり込みでしかないというのも、ボリュームの少なさを実感する要因でありました。
発売後アップデートで完成に近づけていくという制作姿勢はSTEAMでの早期アクセスの存在があるようにひとつの作品開発の在り方ではあるのかもしれませんが、コンソール版フルプライスで発売されたゲームとして捉えると、もう少し頑張ってほしい、というのが感想です。
そして不思議のダンジョン系ローグライクをプレイしてみて改めて完成されたゲームシステムだと感じました。
完成されたシステムに何を足せばより良くなるのか。
最近開発されたDOTAオートチェスも完成度の高いゲームだと感じています。
その後開発されたLOL版オートチェスにはDOTA版にはない装備アイテム合成の要素があります。
この要素はボリュームを高める効果もあるのですが、シンプルで無駄のないシステムに凹凸をもたらせているとも感じます。
将棋に何か足したらもっと面白くなるってあり得るんでしょうか。
完成度の高いシステムに新しい要素を追加するということは販売促進の効果以外を期待するのも欲が深いことかもしれません。