Coffee Talk(コーヒートーク)
Coffee Talk(コーヒートーク)
書き手:のの(https://twitter.com/nonokamiya)
評価
システム 7 シナリオ 6 サウンド 7 グラフィック 6
プレイ時間:シナリオ4時間。トロコンまで含めて6時間。
静かな夜にコーヒーをすするような体験を、雰囲気ゲームとして落とし込んでいます。
場面設定が近い分、VA-11 Hall-AやThe Red Strings Clubのようなゲームかと思いましたが、全く違うゲーム体験でした。
シナリオ
エルフや魚人などが出てきますが、彼らの悩みは我々と大してかけ離れていません。カップルや親子間のいざこざはよくある話です。
VA-11 Hall-AやThe Red Strings Clubでは、バーテンダーの選択によって、客と主人公の関係性が変わり、客の人となりが浮かび上がっていきますが、コーヒートークでは、操作キャラの介入は、既に関わりの深い客同士のちょっとしたすれ違いを仲裁する程度のものです。
The Red Strings Clubのように主人公が情報通であったりせず、適度に無知だったり勘が鈍かったりする点も、等身大なゲーム体験に合っていたと思います。
システム
難易度はとても低いです。一人の客を除いて一週目で納得のいくエンドを見ることができると思います。
基本は客の注文通り食材を選んでドリップするだけですが、オリジナル要素としてラテアートが描けたりします。
きれいな作品を作る必要性はストーリー上ないので、好きなだけ描いたら提供してしまいましょう。
セーブや会話ログの確認はいつでもできます。クリア後は日ごとにやり直しができるため、分岐に関わる日だけやり直すことも可能です。
サウンド
かすかに聞こえる雨音や、コーヒーをすする音が心地いいです。
BGMはチルアウトミュージックというのでしょうか。
コーヒーをドリップする音もリアルで、ゆったりと時間の流れるカフェの雰囲気がばっちり出ています。
総評
舞台であるカフェに、客たちは各々の時間の使い方をしに来ています。
ある者は次の予定までの暇つぶしに、またある者はゆっくり本を読むために。
そういった客に、この主人公は積極的に話しかけたりはしません。
主人公はあくまで会話を持ちかけてくる客の聞き手で、プレイ時間の多くは、常連の仕事の愚痴や、待ち合わせた二人の近況報告などをただ聞くことになると思います。
コーヒーを飲みながら、落ち着く音楽を聴くとともにオートで会話を読み進めるくらいがちょうどいい作品だと思います。